エメラルド遊覧
微睡みのなかでさざなみ
暖かいとすこし優しくなれるの
なもなき青たちの饗宴
さみしさはあの人を鮮やかにする
封筒の角にましろの砂ひとつぶ
君に送りたいたくさんの記憶
寂寥を愛する会
想像上の筆跡は甘美
秘めたる瑕こそ美しい
若木の死体
夜にだけにみちる花
尾骨にばけものの名残
柔肌を金で接ぐ
白いねむりに蝕まれ
静謐は緑青
私はあなたを愛せたか
こころを丁寧に折りたたむ
涙と一緒に箱詰め
変身の朝は晴天
世界も二つに割れればいいのに
熱狂の底、あなたの声しか聞こえない
残酷の片割れ
記録にない存在に恋
意識を塗り替える意思
ふたたびの胎内はあたたかいか
特別な呼吸はもういらない
あなたと共には逝けないので
記念日の銀
これからの日々
だれかに贈る日記
存在のみ許されたとして
ふたりではいれなかった
特注の棺
背骨ひとそろえを聖櫃に
あまやかに不可侵
愛でやすい表皮
瞼をやさしく透かす温度
わたしをすこしだけあかくそめてね
君の傷口はいいにおいがする
心臓はあなたの手のひらを覚える
等しく正しくないふたり
死さえ宝玉になる
明けなかった夜の話
魂はバグ
仮想空間にひとり
ぬくもりのないものが僕によりそう
あなたの瞳は同情に満ち満ちて
明日ほど綺麗にいられない
あなただとおもってたべている
背徳の影を追って
だれがその心をとかすの
強慾どものつどい
墓穴がおおきくなりすぎた
運命は卵形
油田を掘る悪魔
意識の底が干上がる
くちびるだけはあかあかと
世界の薄皮を掬いとる
あなたによって損なわれたい
深海のネクタイ
ぐらぐらの鍋でふわふわに抱かれる
虹色の恋人
崩壊するの、そういう宿命、笑って
なだらかな城の話
サラダボウルにないしょの葉っぱ
霧の中ならばしかたない
自明の悪
ファムファタルを知らないままで
運命なんてないと泣いた夜
選べる現実
壁越しの悪魔
幻みたいにわたしを見ないで
喋るたび薄ぺらくなる人
車内でのふたり
逃避行に向いてない
いつまで鳴るの
悲しいほど美しいのはなぜなの
いまのあなたが笑えるかを教えて
やわくてよわくて無垢だったあれは天使だった
いまはしずかに
運転できなくてごめんね
手を振る幽霊
陳腐になんかならない
足りないから祈った
空気が抜けてるみたい
心はひりつく
正答の扉
素直を願った
あくまでもすべてわたしとあなたの話
似てない表情
あなたのための受容体
恋の運命試験
ふたりの静寂
とある高名なスタンドアロン
喋るほどに歪む
熱量しかつたわらないので
人並みの欲
世界を変えることはきみしかしらない
ことばにとどかぬ戀よ君よ
荒涼のプール
雷鳴の名手
まぼろしの漂着
四季は漂流
真夜中の中心
絢爛に隙間風
ヴェールをどうぞ
感光する記憶
鯨と夢を行く
種族の感覚
あざやかな地層
目印は秋
あなたとおちるために手をつないだ
吐息にふれるすべて
約束しないって約束して
崩落のきらめき
呼吸する記憶
おわかれの合図
不在の鮮明
地獄未満
唇の休日
ワルツを踊るしなやかな白
箱庭のスパイ
終わらないための緻密
寄贈されたとある恋
紅茶の海で会いましょう

インターミッション、あなたにはキスを
無色透明のピラミッド
かくあるべきと光、五十八の仮面
情動、その重み
傷なき冷たさを内包している

傲然と四冠を戴くきみ
艶やかであるべき夜
ほどけたら琥珀にしまって
いろどりに満ちた影が落ち
苦い花ばかり喰む

さまよえる芸術家にニケの一対を
瞑想する指先
結晶への帰還
聖人の飼い犬

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